
ヒマラヤの麓町ジョムソン、まさかの陸路脱出劇 4 ~死のドライブ完結編~
まず最初に、この一連の脱出劇はプライベートな旅ではなくお客さんを連れての仕事中に繰り広げられたということを覚えておいてもらいたい。会社の責任とお金を払って参加されているお客さん達の不安を一身に背負った危機的状態がいかに背筋の凍るものか、分かっていただけるだろう。
空路20分のところ、陸路12時間!過酷極まりない移動はいかにして行われたのか。実際の添乗中にこなした奇跡の脱出劇一部始終。 ※今回とても写真を撮れる状況でなかったので、一部以外は当時のイメージに近い参考写真です。 ■二度の裏切り 1時間近くが経ったであろうか。
さすがに皆ぐったりした様子で車内にうなだれている。 前回まではこちらをどうぞ↓ ヒマラヤの麓町ジョムソン、まさかの陸路脱出劇 3 ~待ちに待った再出発~ ヒマラヤの懐町ジュムソン、まさかの陸路脱出劇 2 ~前途多難なジープ脱出~ ヒマラヤの懐町ジュムソン、まさかの陸路脱出劇 1 ~フライトキャンセル~ 手をこまねいて待っているばかりではいられない。 私は車の外に様子を見にいくことにした。 その間、車内にいた全員に、こちらから声を

ヒマラヤの麓町ジョムソン、まさかの陸路脱出劇 3 ~待ちに待った再出発~
まず最初に、この一連の脱出劇はプライベートな旅ではなくお客さんを連れての仕事中に繰り広げられたということを覚えておいてもらいたい。会社の責任とお金を払って参加されているお客さん達の不安を一身に背負った危機的状態がいかに背筋の凍るものか、分かっていただけるだろう。 空路20分のところ、陸路12時間!過酷極まりない移動はいかにして行われたのか。実際の添乗中にこなした奇跡の脱出劇一部始終。 ■待ちに待った再出発 ジョムソンを発ってからかれこれ5時間が経とうとしていた。 前回まではこちらをどうぞ ↓ ヒマラヤの麓町ジョムソン、まさかの陸路脱出劇 2 ~前途多難なジープ脱出~ ヒマラヤの麓町ジョムソン、まさかの陸路脱出劇 1 ~フライトキャンセル~ 山間の停留所には、夕刻に近付くに従って人が増えてきた。しかし彼らはこの辺一帯の山村の住民なのだろう。観光客はおろか、外国人、ましてや日本人などは皆無である。 掘建小屋に毛の生えたような小屋の中には一応トイレもあるし、湯を沸かすこともできた。高地では日が暮れるとかなりの寒さになる。壁のある建物の中で暖をとることが

ヒマラヤの麓町ジョムソン、まさかの陸路脱出劇 2 ~前途多難なジープ脱出~
まず最初に、この一連の脱出劇はプライベートな旅ではなくお客さんを連れての仕事中に繰り広げられたということを覚えておいてもらいたい。会社の責任とお金を払って参加されているお客さん達の不安を一身に背負った危機的状態がいかに背筋の凍るものか、分かっていただけるだろう。 空路20分のところ、陸路12時間!過酷極まりない移動はいかにして行われたのか。実際の添乗中にこなした奇跡の脱出劇一部始終。 ■そして迎えた四日目 雄大なヒマラヤに囲まれた麓街ジョムソン。無事にトレッキングを終えたは良いが、山々の間を縫って吹き込む強風に煽られポカラまで戻るフライトが連日キャンセル。そして迎えた延泊四日目の朝、日本の会社とも相談を重ねた結果、本日陸路でポカラまで脱出することが決まったのだった。 前回まではこちらをどうぞ↓ ヒマラヤの麓町ジョムソン、まさかの陸路脱出劇 1 ~フライトキャンセル~ さて、ポカラまでの道のりは、山を越え川を越えオフロード並みの山道を小さなジープで10時間以上。そして、こともあろうにこの過酷な道中に加え、この時ジョムソンで居合わせた大手某社の団体に

ヒマラヤの麓町ジョムソン、まさかの陸路脱出劇 1 ~フライトキャンセル~
まず最初に、この一連の脱出劇はプライベートな旅ではなくお客さんを連れての仕事中に繰り広げられたということを覚えておいてもらいたい。会社の責任とお金を払って参加されているお客さん達の不安を一身に背負った危機的状態がいかに背筋の凍るものか、分かっていただけるだろう。 空路20分のところ、陸路12時間!過酷極まりない移動はいかにして行われたのか。実際の添乗中にこなした奇跡の脱出劇一部始終。 ■フライトキャンセル その日はまだ陽も昇らぬ早朝から、石造りのホテルの窓を揺らす突風で目が覚めた。 窓の外を覗くと満点の星空の下、薄ぼんやりと浮かぶヒマラヤの山々の聳える姿がゾクッとするほど美しい。 Himalaya by night | Flickr - Photo Sharing! 世界の8000m峰の全てが集まるヒマラヤ山脈。その雄大な山々の麓に位置する村ジョムソン。 今回の仕事は、ここに滞在してヒマラヤの大自然を感じ付近に点在する小さな村々を訪れるトレッキングツアーの添乗であった。 前回参照↓ 神々の棲家、ヒマラヤの懐で過ごす数日間 ジョムソンはその昔チベッ

神々の棲家、ヒマラヤの懐で過ごす数日間
夢枕獏「神々の山嶺」を読んでから、ずっと憧れを抱いていたネパールヒマラヤの山々。もう数年前のことになるが、仕事でヒマラヤトレッキングの添乗にアサインされた時は素直に嬉しかったことを覚えている。 世界の8000メートル峰の全てが集まるヒマラヤ山系。富士山の約2.5倍の高さである。地球上でここより高い場所は無い。その上にあるのはひたすら続く宇宙だけだ。 神々が棲むといわれる山嶺が美しく連なり、神々しくコーティングされた白銀の頂には想像を絶する苛酷な環境が存在するという。 1800年代から世界中のクライマー達を魅了し登頂に駆り立て、そしてそれを拒み続けてきた山々。雄大にして麗美なヒマラヤの懐に抱かれて日常の喧騒を忘れる、それが旅の目的であった。 ネパールの首都カトマンズや古き良き田舎町ポカラ、美の都パタンなどの街を歩き人々の生活を垣間見ることはもちろん、旅のメインはやはりヒマラヤの麓町ジョムソンでの連泊トレッキングだ。朝の澄み切った空気の中、ヒマラヤリゾートのホテルを出れば峰々を縫って吹き込む冷たい風が身体と心を引き締める。 ジョムソンのトレッキングで