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クロアチア・スロベニア絵になる風景と、ギリシャの絶景聖地へ5 ~カランバカからアテネへ~

今回は前半を一人旅、後半は母と妹が合流して三人旅という形をとった。

まずは一人旅部分。クロアチアまでの乗り継ぎではパリに立ち寄りその後ザグレブへ。スロベニアの絵葉書のような湖や、驚くべきギリシャ正教の絶景聖地へと足を伸ばす。

【旅行時期:3月末~4月初旬

 

■アテネまでの道のり

早朝5時過ぎ。リビングにディタさんが置いてくれてあった朝食の袋を持つと部屋の扉から直接外へ出た。

真っ暗な道は少し肌寒く、まだ街が目覚める前の、早朝特有の背筋が伸びるような空気が流れている。

闇に包まれたメテオラの奇岩には、今は修道士しかいない時間だ。

前回はこちら↓

小さな駅舎には、それでももう始発列車を待つ2~3人の乗客が立っていた。

列車は20分ほど遅れて到着。

間もなくゆっくりと走り出した。

落ち着くと、まずは朝食を食べることにした。

ディタさんの持たせてくれた朝食は胡麻のビスケットのようなスティック状の香ばしいパン、りんご一個、ゆでたまご一個、ハムとチーズのサンドウィッチ2枚、1リットルの水一本だった。

早朝出発の時に宿の主人が持たせてくれる朝食は、だいたいいつも同じようなものだ。

果物にパンと水。少々喉につまる内容なのだが、いつも食べきってしまう。

アテネまでの今回の列車は、途中で乗換がある。

少しうとうとしかけた頃、1時間ほどで列車はパレオファルサロスの駅に停車した。

ここで乗換となる。

列車を降りると大半はアテネへ向かう乗客なので彼らの後について反対側のプラットホームへ移動する。

あとはひたすら待つだけだ。

時刻表によると、待ち時間は10分ほどしかない予定だ。

しかしそれは、カランバカからの列車が20分お遅れた時点でもう無くなっているはずだ。 けれど、そこは遅れるのが前提のギリシャ列車のファジーなところ。乗継列車もちゃんと30分ほど遅れてやってきた。

しかし、パレオファルサロス駅には、全く何もない。

ただただ、だったっ広い草原が白みゆく様子を、ホームの上から眺めているしかすることがないのだ。

実は、こんなに早朝でなくとも10時頃出発する列車があった。その方が慌ただしくないし、良いと思われる。

しかし、あえてそれを選ばなかった理由は、他ならぬこのパレオファルサロスでの待ち時間だった。

10時発の列車に乗った場合、この何もない駅で2時間ほどの待ち時間がある。列車が遅れることを想定すると、おそらく3時間近くは吹きさらしで立ちっぱなしだ。

駅舎も小さいし暗くてよく見えなかったが、そんな大した待ち合い場があるようには思えない。

カランバカ、アテネ間の列車でパレオファルサロスで乗り変えがある場合は、乗継時間ができるだけ短いものを選ぶようにした方が無難だろう。

さて、乗継列車がようやくやって来た。身体が冷えていたので、暖かい列車の中に入るとホッとした。

あとはアテネまで4時間弱、寝て過ごせばよい。

列車はこの早朝なのに席はけっこう埋まっていた。 心地良い揺れに身を任せ、ウトウトして過ごしているとアテネまではあっという間に感じた。

いつの間にか日はすっかり上り、朝日が眩しい。

こうしてラリッサ駅には予定時刻を40分ほど回った午前11時過ぎに無事到着したのだった。

■アクロポリスと絶品スブラキピタ

さあ、これから3時頃空港に母と妹を迎えに行く前に、やりたいことがまだある。 まずはラリッサ駅のコインロッカーに荷物を預けて身軽になろう。

コインしか使えず両替機がないので予め細かく崩しておく必要があったが、たまたま居合わせたご婦人が親切にも5€紙幣をコインに両替してくれた。ロッカーは一回3€である。

時間短縮のため、ラリッサ駅からアクロポリスのゲートまでタクシーを使う。

やはり絶対に見ておきたいアクロポリス及びパルテノン神殿。今日はなかなかの快晴。青い空に眩しい太陽がはやりアクロポリス見学には不可欠だ。

乾いた喉にフローズンレモネードは絶品である。

​神殿見学については、後日母と妹が見学する場面でまとめて書くこととする。

アクロポリスを後にすると、今度はまた時間短縮のためタクシーに乗ってシンタグマ広場、ミトロポレオス通りで下してもらう。 アテネ市内のタクシーは、午後になると一律1キロ7€という金額に跳ね上がるそうで、時間に余裕がある場合はメトロ利用が圧倒的に得だ。

向かった先は、スブラキピタの名店、O KOSTAS(オコスタス)。

ミトロポレオス通りを少し入って左手に小さな教会がある角を左に曲がると右手にある小さな店。 ひっそりと街に溶け込んでいるので一見すると見逃してしまいそうな店だ。

​スブラキピタを出す店は山ほどあれども、ここのピタは一番美味しいと思う。

ガイドブックではタナシスなんかがよく紹介されているけれど、ここは観光客というより地元民が多いような気がする。 狭いけれど明るい店内は清潔感があって、新鮮な食材を使って丁寧に作られているという印象。

​店員さんは2人しかおらず、私の前には地元民が二人ほどピタができるのを待っていた。

スブラキとは、ポークやビーフ、ラムを炭火で焼いたもの。それにイタリアンパセリなどの野菜類、タマネギ、トマトなどをまとめて生地で巻いてある。プレーンのギリシャヨーグルトの程よい酸味とクリーミーさがシャキシャキした具材と絶妙にマッチし、パプリカパウダーがアクセントを加える。

​生地はこんがりふっくら焼き上げられていて、ナンをもう少し薄くしたような感じだ。芳ばしい生地にほんのりと甘みが広がって、これまた具材やヨーグルトとベストマッチ。 一個くらいは軽々と食べ終えてしまう。

私はポークのスブラキにしたが、ラム好きな人ならばラムスブラキも良いんじゃないかと思う。 テイクアウトできるスブラキピタの店では、ここがおススメである。

ピタを頬張りながらシンタグマ広場に戻り、ここからメトロに乗ってラリッサ駅に戻る。

アテネのメトロも単純明快な上に、想像以上にキレイで驚いた。

​チケットは3種類。

70分以内乗り放題チケット1.2€、24時間乗り放題4€、5日間乗り放題10€。このいずれかだ。

乗換やいったん地上に出た場合も関係なく、時間内であれば何度でも利用できる。バスやトラムも同じチケットで通用する。​

​一番最初に乗る際に打刻すれば、あとは素通りでOk。ただし、空港と市内間のメトロだけは別チケットになるのでご注意。

ラリッサ駅でロッカーに預けたスーツケースを取ると、そのまま空港までメトロで向かうことにした。

空港行の切符を買い直し、所要時間は40分だ。

アテネの空港はほどほどの大きさなので待合せなどはし易いと思う。

非シェンゲン協定国からの到着便が出てくるゲートの前で待っていると、じきに母と妹が出てきた。

さて、次回から先は賑やかな母娘3人旅となる。

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